許せると許せないの境界線はどこか?とか
ムカつくムカつかないの境界線は?
善と悪の?おもろいとおもろないの?
などなどについて頭を回らせてしまっているのは、SNSの見過ぎなんだろうなと思う。
白黒はっきりしろ!なんて言葉があるが、素人、玄人、と言う言葉にそれぞれ「しろ」と「くろ」が入っているのは、偶然なのだろうか?
争いは無いに越したことがない、と思いつつも一方で、誰とも波風立てず、ひたすら穏便に済ませようと努める人を目撃すると、「いや、何やってんねん、怒れよ」と思ったりもするし、物事はケースバイケース、善悪なんてものは立場によって曖昧モコモコとしているし、いろんな流れや時流や風潮や価値観や育ってきた環境やセロリが好きだったりパセリが嫌いだったりによって、何なら状況は常に変わり続けている、というのが正確なところかも知れない。
あれは確か17歳の夏だったね。
僕は一度だけ、雨の境界線に立ったことがあるんやけど。
いや、その後もいつだったかあったから、最低2回はあるね。
いわゆる夕立だったと思うんだけど、一気にバーっと降ってきてね。
アスファルトの地面の色がテンテンテンテンテン!って色を変えていってね。
うわーって走って帰ってたら、目の前の道から先が全く濡れてなくて、もう完全に境界線が地面にハッキリと表出してて。すごく珍しい体験したなって思ったね、そん時は。
誰の目にも明らか、という部分は見ていて気分が良い。
そう思った瞬間に、気分という曖昧な存在が表出し、黒と白の間をグレイに塗りつぶす。
たとえそうであったとしても、あの時、ピタッと(まるでさっきまでの雨は映画の撮影班が演出のために降らせていたのでしたと言わんばかりに)雨が止み、みるみるうちに青空が広がっていったあの景色を、僕はずっと覚えていたいなって思う。