師走に入ると、町中の人々の顔がほころび出すように感じる。
師も走るような忙しさ、師走だが、今年も無事に終わった、ようやく正月休みだぞといった、気持ちの余裕が、月末に入れば一気に溢れ出すように感じられる。
田舎者の集まり、東京だからこそ、余計に感じられるのかもしれない。
また一気に、ぐんと冷え込んで来た。
雨振る中、傘を指してスーパーへと向かった御昼時。
ふと、ウンチとランチは字面がとっても似ているのだけれども、全く別の物だなあと思う。
むしろ、両者は対立し合った関係と言っても良いほどである。
ランチ中にウンチの話をされたら、喜ぶ人はそう居ない。
似た者同士ではあるけど、S極とN極ぐらい対立していると言っても良い。
ていうか、ランチはウンチと限りなく似ているけれども、モーニングやディナーといった、もはや一文字もかすっていない物からも疎んじられている。
なんならウンチ本人以外の、世界中のありとあらゆる物たち全てから、憎まれ、恨まれ、反感を買っている存在であると言えるかもしれない。
たまたまランチが似ているからと言って、親しげにするなよ、「ウ」と「ラ」の違いは限りなく大きいんだぞと。
きっとランチからすれば「二度と話しかけてくるなよ、誤解されるから。よろしく!」といった感じだろう。
なにが「といった感じだろう」なのだろうか?
一人で歩いていると、このようにどうしようもない物事が浮かぶ。
ここに書くに足りないような事が浮かんでくる。
ウンチを漏らしたときの証言(年代、職業別)
「おんぎゃー」   0才6ヶ月 赤ちゃん
「クラスの友達に馬鹿にされるのがいやで、我慢してたんですけど・・・。」 13才 中二
「ちょっと昨日飲み過ぎて、こんなつもりじゃなかったんですけど、なんか胃がチョーバットで、ヤッベーとか思ってたんすけどー。」  24才 フリーター
「思っていたよりも到達ポイントが近かったんですね。だいぶ空気も薄くなり始めていて、はじめ幻覚かな?とも思ったんですが・・・漏れちゃいました。」  28才 登山家
「ヘイヨー!メシ食うよー!だれだって、おなじだろー!出すもん出せよー!才能出せよー!金出せよー!政治家かね出せよー!よーよーよー!おれは体中から吹き出る汗!いつから付いてる足枷!貧乏だけどかまわねえ!50セントありゃ十分だ!っていうのは強がりだ!もう出すもんないYO!」
36才 ラッパー
「まず最初に腹痛を覚えてから、最終地点、つまり脱糞までの時間を想定し、グラフ化しました。ユークリッド幾何学上、四度目の腹痛ポイントが最終地点であると答えを導き出し、一度目から順に各ポイント地点までの時間が半分になっていく公式、a=x1/4 X=4a からハンケルの積分表示を行い、点と線を結ぶグラフから放物線を描くグラフの作成に成功しました。一秒たりとも間違う事無く、駅中の公衆トイレに駆け込む算段でおりましたが、信号待ち中に限界点を超えてしまいました・・・。」  45才 哲学者
「まず、真実を疑う事です。ありとあらゆるメディアから、自分の身の周りのすべて。そして一度身辺の整理を行い、自分にとってリスクが表出しそうな物を捨てていくんですね。最終的には自分ではリスクを負わないように持っていくという事です。あ、すいません、力みすぎました。」  58才 有識者
「目が覚めたな、・・・そう思たんじゃ・・・そしたらな・・・・出とるんじゃ・・・。」
86才  無職
寒い冬の中、人間を一人きりにしておくのは危険だと思う。
出来るだけ誰かに会おう。
手紙を書こう。
そうして、よい年を迎えるのだ。

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2 Replies to “ウンチとランチ”

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